こんにちは、バイト工場長です。
良い物を作ってたくさん売る。会社としてはごく当たり前の活動です。そんな中で会社の成長について悩んでいたことがありましたので紹介します。
良い物さえ作ってればいいのか?
生産現場にいたころ、「とにかく良い物をたくさん作れ!そうすれば売り上げは勝手に付いてくる」と上司から言われたものでした。ところが私たちの工場は元請けさんのブランド商品を作ることが中心の業態でして、言ってみれば指示された分だけ作ればいい工場なわけです。
自分たちが営業して仕事を取ってくるわけではないので、まあ自由は無いわけです。忙しければ言われるままの数を何としても納めることを求められますし、暇であれば言われるままに操業が減り、それに合わせて従業員は出たり入ったり。私自身も何度かよその事業所へ出向を経験しています。
「安定して売れてさえくれれば、良い物を作る負担も安定するのに・・・」と唇を噛みしめた日もありました。良い物を作れているという自信も当然ありましたから。
「こんなに良い製品を作っているのに、なぜ思うように行かないんだ!」
良い物だけでは説明がつかない「力」
迷路にはまっていた時に手に取ったマーケティングの本にこんなことが書いてありました。
会社を成長させるには2つの力「商品力」と「販売力」が必要で、どちらも大事な両輪である
なるほど・・・
良い物を作る力=商品力、たくさん売る力=販売力、それぞれ別物だったとは。もちろん販売力を支える上で商品が良い物であることは大前提で、下請けとして良い物を作ることが販売力に影響を与える唯一の方法だと思い込んでいたのか。
しかし、良い物を作れば必ず売れるかというと、実態はそうではありませんよね?むしろ慌てて企画された製品の方が売れたりするのをよく目にしました。
そこで腑に落ちたんです。「ずれてたんだ」って。要はこちらが勝手に思っている良さと、消費者が買うときに受け取る良さが根本的に違うことがあるのだと。
結局、その商品の価値を決めるのは消費者であり、私たちではないのだと痛感する瞬間でもありました。
では、どうやって「力」を生かすか?
そのことを理解してからは下請けとしての心構えにだいぶ余裕ができました。考え方としては「元請けさんの販売力を邪魔しないように」とシフトが変わったように思います。
設備投資に関しても下手に企画に首を突っ込んで「売れる要素」を狙ったりせずに、「作りたいのに作れない状況」を解決することの方こそ私たちがすべきことだな・・・と。(当然、経営者・社長・役員の皆さんと同じ気持ちになっておくことが前提ですが)
当然、開発や営業を持たない下請け専業の会社と、ユニクロのように開発から店舗販売まで一気通貫ですべてに関与できる会社とではできることに差がありますが、商品力と販売力という2つの要素でそれぞれ分析する点は変わらないと思います。
やろうとしていることは「商品力」を高めるのか?それとも「販売力」を高めるのか?どちらか一方をやっていれば、もう一方は自然についてくる類のものではないと知ることで迷路から抜け出せた気がしました。
商品力と販売力は大切な要素ですが、2つの要素のどこか一部しか自分の会社が持っていないこともあるということで、その限られた手数の中でもやれることは多いなという気付きでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。何かの助けになれば幸いです。