工場長はすべてに精通していないといけないか?

know anything 気の持ち方

こんにちは、バイト工場長です。

沢山のことが同時進行で発生すると一つ一つのことに丁寧に対応するのが難しくなりますよね。

特に繁忙期ともなると予定通りでも忙しいのに、想定外のトラブルが発生しようものなら対応に手が回らなかったり、

間違った対応をしてしまったりする危険度が一気に増すように思います。

そんな時に工場長として全てに精通していないといけないのではないかと不安になりますよね。

範囲は広がると思うが

職位が上がると知るべき範囲は当然広がるのは仕方ないと思います。

ただし、中間管理職クラスや職長クラスが知っておくべき内容とは質の面で大きく異なると言えます。

例えば機械が破損したとして、中間管理職クラスや職長クラスであれば「どんな修理方法を採用するか」とか「どうやって修理するか」「いつまでに修理が可能か」といった面を考えるでしょう。

ところが管理職以上のクラスとなると「修理できない間にどう収益を上げるか」とか「生産できなかった埋め合わせをどうするか」とか「予算をどう捻出するか」といった面を考えるでしょう。

職位で考えることは決まる

職位が上がるごとに考えるべきことが変わるとは思いますが、それは範囲が広がっても本質が変わることはないように感じます。

平社員あたりのころは現場をいかに回すかといった着想であり、

職長クラスになると現場の問題をどう解決するかといった着眼点に、

それ以上の職位になるとサポートに回るといった印象を受けます。

そのサポートに関しても技術面のサポートから始まり、職位が上がると資源のサポートという側面が強まります

部署異動でも意外と対応できる?

結論から言うと、職位が変わらない横スライドの部署異動であれば対応は十分可能だと思います。

主任クラスであれば生産部門から工務部門に異動したとしても「現場をまとめて直接作業に当たる」という本質部分は変わりません。

課長クラスであれば生産部門から工務部門に異動したとしても「稼働を確保することを考えて外部との折衝も含めて対応する」という本質は変わりません。

では工場長クラスは?

では工場長クラスはどうでしょう?

範囲は広がって工場全体が管理下に入るので、対象としては全部門と言えるでしょうけど、

職長クラスのような「機械をどう修理するか」を決めるとは限りませんよね?(現に私は機械に疎いほうです)

内容としてはきっと「部門の間を取り持つ」ことであると思います。

資源をサポート

部門の間を取り持つと言ってもなかなか思い浮かばないかもしれません。

例えば生産がストップしている間に従業員をどうするか総務部門と調整する、生産機械を最短で修理するように技術部門と工務部門に協力を促す、修理費用の資金計画について経理部門に確認する、そして経営者に承認を得る・・・

つまりヒト・モノ・カネという「経営資源」をサポートするように動くことが本質ですね。

それを実現するためには個別の専門知識は実は必要なくて、

ある技術一つだけで十分です。

質問力

ヒト・モノ・カネについてサポートするべく各部門をつなぐわけですから必要な情報を引き出す質問が肝心です。

お察しの通り質問すべきは「ヒト・モノ・カネ」について。

総務課が知りたい情報は「生産がストップするのはいつまでで、何人の従業員が関係していて、総額何円相当なのか」でしょう。

技術科としては「機械の納期はいつで、何人の作業者で、工期は何日でできるか」などでしょう。

生産課は「生産できない日数は何日で、減産数量はどれだけで、稼働できない損失は何円相当か」などが該当するでしょう。

その各部門が知りたい情報を集めていくわけです。

つなげて方向を揃える

いかがでしょう?

ヒト・モノ・カネの情報をそれぞれの部門から集めたらそれだけで終わりではありませんよね?

その情報をまとめて伝えていく必要があります。

そして一番大事なのがその情報を受けて「工場としてどのようにしていつまでに何をするか」を共有することです。

ここを押さえておかないと

「生産課はストップしているから有給休暇を消化しようとする」

「技術課は工期をダラダラと設定する」

「経理課は損失額を知らないままで資金計画が崩れそうになる」など

工場内の動きがバラバラになってしまう可能性が高まります。

ゴールは1つに

統率にも関係しますが、ほかの部門もそれぞれ仕事を果たそうとしていることをしっかり伝えていく、

工場として進むべき方向を揃えるためにヒト・モノ・カネについてのゴール地点情報を流す、

部門ごとに勝手に解釈されないように一つの情報源にする、

といった点に注意することが重要です。

忙しい、トラブった時ほど他の部門が楽しているように見えてしまうものです。

そんな疑心暗鬼を正しい情報で洗い流して問題を解決した後の一体感と達成感を共有できるとしたら、こんなに素晴らしいことはないと思います。

すべてに精通していないからこそできる発見もあると信じていますので、恥じずに臆せずに威厳を持って対応したいものですね。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。何かのお役に立てれば幸いです。