食品工場で常にこれができれば苦労はない

a hard time 方法論

こんにちは、バイト工場長です。

今日の夕飯は私のおふくろの味「鶏肉ときのこのレモン焼きバター風味」でしたが、その味付けを妻に頼まれました。

というのも、妻が言うには「私ではあの味を再現できない」とのことで、

目分量であるにしても大まかな味付けの個人差が心配なようです。

もともと私の得意料理だったので喜んで引き受けましたが、

決定的な違いは甘味をどこまで加えるかであることは内緒にしていました。

つまりは再現性

食品工場において原料を細かく計量したり、加工時間や加熱温度を決めて計測したりしますが、

これは個体による差を無くし品質のバラつきを小さくするための努力だと思います。

中には日々納入される原料の差に合わせて配合を微調整したり、加工する条件を変えたりするという物凄いこだわりを強みにする企業や、

再現性の難しい加工を行なうことそのものが企業独自の技術ということもありますよね。

それだけ「毎日同じものを作り続ける」ことは簡単なようで奥が深く難しいことなのだと言えるでしょう。

なぜ再現に苦労するか?

再現を難しくする要素にはどんなものがあるでしょう?

  • 原料の特性がピーキー(酵素が効きすぎる・発酵のストライクゾーンが狭い・劣化が早い・うっかりすると混ぜすぎになる など)
  • 機械との相性が悪い(べたつきが強い・混ざりにくい・保形性が低い・加熱と冷却を併用する など)
  • 工程が複雑(難しい反転・繊細な圧延・掴んだり離したりが多い・機械が壊れやすい構造・自然落下に頼る工程がある など)
  • 熟練技術が必要(混合は手の感触で仕上げる・発酵の見極めが要る・手で包まないといけない・手作業じゃないと不可能な装飾がある など)

食品工場あるあるといった感じでしょうか?

難しいことをやってのける企業にしてみれば「これだから面白い」と言えるのかもしれませんね

再現性も4M

でもよく見てみると苦労する要素って4Mじゃないですか?

4Mの問題であるならばいかに「尺度」を揃えるかが勝負のカギを握っているということです。

べたつく素材の混合管理であれば「モーターの電流値を計測してどれぐらいの負荷率の時がベストかデータを取る」とか、

温水加熱と冷水冷却を併用する工程であれば「水温だけの管理ではなくそれぞれのバルブの開度や流量もインジケーターで数値データ化してみる」とか、

混合の仕上がりのチェックには粘度計で粘度データ化したり、引っ張り検査で何秒でちぎれるかを数値データ化してみるとか、

それぞれの要素にもう一点管理できるポイントが追加できないか探してみると、より誰でもコントロールできるようになるのではないでしょうか?

生産だけのせいじゃない

こういった部分はトップから一体となって商品開発・設計から機械の設計や工程の設計までも統合して取り組まないとなかなか乗り越えるのが困難な問題ですよね。

生産の現場からすれば「そもそもこんな原料(配合・設計)じゃなければ苦労しないのに!」と言いたい気持ちにもなります。

でも思考停止せずにもう一点でも管理を有利にできないか探し続けるのは生産の宿命なのでしょうね。

その困難な問題を解決した時に自社独自の強みとなっているかもしれないので率先してチャレンジすることが欠かせないと思います。

ということで私も妻に「鶏肉ときのこのレモン焼きバター風味」のレシピという「尺度」を渡したいと思います。

複数の尺度でより安定した生産が誰の手でも可能になれば作業者にとっても管理者にとっても嬉しいことですよね。

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。何かのお役に立てれば幸いです。