食品安全ができるなら労働安全もできるはず

worksafety 方法論

こんにちは、バイト工場長です。

食品製造業の労働災害は年末にかけて増加する傾向にあるようですね。

クリスマスから年末年始といえば食品業界にとっては書き入れ時ですからそれも頷けます。

当然ながら私もそういった実感がありますので前回の記事でも扱ったわけです。

忙しいと労災が増える?

単純に忙しいから労災が増えているかというと、そうではないと思います。

忙しい結果どういったことが問題化するかによるのではないでしょうか?

例えば、

  • 人手不足で短期のアルバイトを一気にたくさん雇って安全意識が下がっていないか?
  • 忙しくなると段取り替えやライン切り替えが増えて怪我する要因が増えていないか?
  • 忙しくて機械の洗浄が増えたが床の水切りが間に合わないから滑りやすいのではないか?
  • 慣れない人が荷物を運搬して周囲に配慮が不足していないか?

といった状態が現場で高まっていないかに注意が必要なのだと思います。

文化になってないか?

安全意識は企業文化がよくあらわれると思います(というか管理職の意識もあらわれる)

怪我した人間を責めたり馬鹿にしたりする文化があるようだと災害が増える印象があります。

「だっせぇ」とか「間抜け」と評価しているってことは、

裏を返せば「うまくやればいい」という思いのあらわれで、

災害の原因究明や再発防止、根絶に向けた思考ではないように感じます。

危険度が高い文化を感じさせるポイント

その辺を端的に表すポイントとして一番は

安全に関する表示が不足していることです。

製品の規格や作業上の注意点、不良限度見本などは充実しているのに、

頭上注意とか走るな危険とかのごくごく一般的な注意喚起がないか

あっても極端に少ない傾向が感じられると要注意ですね。

表示の力ってすごくて、災害になるか否かを分けると思いますよ。

意外と心に刷り込まれてるものなんですよね、安全についての表示って!

表示すべきワード

もちろん何でも表示すればいいってものじゃないと思います。

ポイントは

  • 従業員が別の従業員を怪我させる危険性が高いこと(第三者行為というやつですね)
  • 忙しいとつい端折りたくなること(例えば高所で作業するときは命綱を着けるとか、使う時だけ持ってくるものとか)
  • 汚いとか、ダサいもの(ヘルメットとか、ゴーグルとか、共用の手袋とか)

こういったものが表示されるべきだと言えます。

前が見えなくなるほど荷物を持つなとか、周囲の安全を確かめて動けとか、立て掛け置きするなとか、ここから先はヘルメット着用とか、走るな・転倒注意とか、

そういったことに対する表示は怪我をする側にも、させる側にも長い時間をかけて浸透していく類のものだと思うからです。

やっぱり保護具

誰でも人を怪我させたり、怪我したくて行動するわけではありませんよね?

注意していても起こってしまうのが事故であり、労災であると思います。

もし起こってしまった場合のために、やっぱり保護具を常時装着しておくことが理想ですね。

転倒したときのために薄いインナーヘルメットを着けたり

切傷しないように防刃インナー手袋を着けたり

足に重量物を落とした時のために指先に甲が入った安全靴を履いたり

情報セキュリティの2段階認証と同じように

安全対策も表示から装備への2段階で危害要因を抑え込むことが必要ですね。

進め方はHACCPと変わらない

食品安全のHACCPは危害要因を分析するところからスタートしますが、

それは労働安全に関してのアプローチもまったく同じです

  1. 危害要因の洗い出し(リスクアセスメント)して
  2. 危害に応じた対応策を決定して
  3. 担当者に周知・教育を行う

3.の「周知」という部分で、普段から表示物で刷り込まれているのと、そうでないのとでは大きく開きができるのかなと感じました。

ぜひ食品も労働も安全な文化を浸透させて誰も痛い思いをしないで済む、ゼロ災を続けたいものですね。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。何かのお役に立てれば幸いです。